スクリーンシアター入門

大画面スクリーンシアターを作りたいけど、何から初めて良いかわからないあなたに、スクリーンシアター作りについて、必要な要素をアドバイス

オススメのスクリーンシアター

大好きなコンテンツを大画面で見たいけれど、何からはじめて良いかわからないあなたに、スクリーンの種類やシーンごとの楽しみ方について、必要な要素をアドバイス

本格スクリーンシアター

平面性に優れた張込スクリーンであなただけの時間を演出する本格的なシアター

専用スクリーンシアター

サイドテンションスクリーンで日常から映画の世界に没頭する専用シアター

リビングスクリーンシアター

いつもは隠し、使う時だけ出てきて特別な時間を演出するリビングシアター

ガレージスクリーンシアター

自慢の車とレースの動画を気の合う仲間と楽しむガレージシアター

大画面ならプロジェクター

映像表示方法には一般的に、テレビ(自発光型)とプロジェクター・スクリーン(反射型)があります。

テレビは、部屋の明るさ等の影響を受けにくく、チューナー・スピーカー一体型のため手軽に設置できますが、映像が表示されていない時に片付けられないなどのデメリットがあります。

プロジェクタースクリーンは、目が疲れにくく長時間の観賞に優れますが、導入時の設置が難しいというデメリットがあります。

それぞれのポイントを押さえて、商品を選びましょう。

テレビ(自然光)

テレビに外光が反射することがあるので、なるべく背面に窓が来るように設置しましょう。

プロジェクター・スクリーン(反射型)

プロジェクターの背面から光が入ってしまうとスクリーンが外光も反射してしまい、映像が見にくくなってしまいます。

1992年発表の論文から
テレビとスクリーンを同一条件で検証した結果、スクリーンの疲労は正常だが、TVでは異常な緊張を強いられていることがわかった。
テレビの透過光がスクリーンの反射光に比べ調節、輻輳機能に障害を与え、眼の疲労性の原因となることが実験で証明され、テレビ画面よりスクリーン画面のほうが安全であることが実証されました。

眼科臨床医報 第92巻別冊より

視聴距離に合った画面サイズ

スクリーンの画面高さの1.5~3倍が確保できているかを確認し、画面サイズを決定することをお勧めしています。ご使用になるプロジェクターの投写距離もあわせて検討が必要です。
適切な視聴距離が確保できていない場合は、画面サイズを一回り下げるなどして決定します。

スピーカーのサイズや設置位置に注意が必要です。
スピーカーはサウンドスクリーンを使う場合を除きスクリーンの左右と下に置きます。
スクリーンを選ぶ際は、どこにどのくらいの大きさのスピーカーを置くかということを考慮し、十分な設置スペースを取れるようにスクリーンを選びます。

お部屋の広さ 平米数 イメージサイズの目安
6~8帖 9.9~13.2m2 80~100型程度
10~12帖 16.5~19.8m2 100~120型程度
16帖~ 26.4m2~ 120型~

スクリーンイメージサイズ

映像が映る部分(WxH)をイメージサイズといいます。ホームシアターで使用されるスクリーンのイメージサイズには、大きく分けてHD(16:9)、DCI 4K(17:9)、並びにシネマスコープ(2.35:1)があります。

※NTSC(4:3)やWXGA(16:10)をご希望の方はご相談ください。

HD(16:9) DCI 4K(17:9) シネマスコープ(2.35:1)
W(mm) H(mm) W(mm) H(mm) W(mm) H(mm)
30 664 374 673 357 701 298
40 886 498 898 475 935 398
50 1107 623 1122 594 1169 496
60 1328 747 1347 713 1402 597
70 1550 872 1571 832 1636 696
80 1771 996 1796 951 1870 795
90 1992 1121 2020 1070 2103 896
100 2214 1245 2245 1188 2337 995
110 2435 1370 2469 1307 2571 1094
120 2657 1494 2694 1426 2805 1193
130 2878 1619 2918 1545 3038 1294
140 3099 1743 3143 1664 3272 1393
150 3321 1868 3367 1783 3506 1491
160 3542 1992 3592 1901 3740 1590
170 3764 2117 3816 2020 3973 1691
180 3985 2242 4041 2139 4207 1790
190 4206 2366 4265 2258 4441 1889
200 4428 2491 4490 2377 4674 1990

スクリーンマスクサイズ

オーエススクリーンは、ご家庭での快適観賞のために、上黒(上部マスク高)の設定に関し、CTPの考え方を適用しています。一般的な家庭の標準天井高2500mm+スクリーンボックス150mm、AV機器などを収納するローボードの高さ450mmをスクリーンの基準値とし、「上黒+イメージ高+下黒」が2050mmになるように上黒を設定します。
この事によりユーザーはイメージサイズの大きさやアスペクトによる上黒寸法の設定に煩わされることなく、全体寸法でスクリーンをお選びいただけます。この考え方をCTP(ケース・トゥ・パイプ)と呼称し、今後のスクリーン展開に生かしてまいります。

※スクリーンマスクは一部の電動スクリーンで延長が可能です。
※特注にて上部マスクをサウンドスクリーン仕様に加工することも可能です。

設置方法

スクリーンの設置方法には、壁面天井設置・壁面設置があります。
環境にあった設置方法を検討しましょう。

スクリーンの設置方法

プロジェクターの選び方

プロジェクターを選ぶポイントは①解像度②明るさ③コントラスト比④投射距離です。
①②③の数値は数字が高い程良いですが、なるべくバランスの良いプロジェクターを選びましょう。
お好みのプロジェクターが決まっている場合は、プロジェクターメーカーのカタログから投射距離を見て、設置したい空間に納まるか確認しましょう。

①主な解像度

4K 2K HD
3840 x 2160 1920 x 1080 1280 x 720

②明るさ

自宅でホームシアターをする際の一般的な明るさは右の写真のような環境です。
リビングの場合は、照明やカーテンで明るさを調整する事がポイントのひとつです。
スクリーンゲイン1.0(ピュアマットⅢ)のときの最低必要光量の目安
スクリーンイメージサイズ 80型 100型 120型 150型
専用ルームの場合 285 445 641 1002
リビングルームの場合 855 1335 1923 3006

(単位:ANSIルーメン)

  • 専用ルームは映画館と同程度の暗室です。
  • 光量のカタログ値は全白の測定値です。実際にはシーンにより光量は下がります。
  • 明るさが足りないときはスクリーンの反射率(ゲイン)の高い素材を選ぶなどの検討が必要です。
  • プロジェクターの設置は、映像にかからない天井吊り下げがお勧めです。

10lux部屋の写真専用ルーム

30lux部屋の写真リビングルーム

③コントラスト比

コントラスト比とは、最も明るい部分と最も暗い部分の明るさの比率です。
数値の差が大きいほど明るい部分と暗い部分がはっきりと表示され、映像は明暗のメリハリが効いた印象になります。

④投写距離

プロジェクターは同じ画面サイズでも機種により投写距離が異なります。
例えば、近年「短焦点プロジェクター」といった機種が増えてきましたが、これはプロジェクターレンズからスクリーン幕面までの距離が短いプロジェクターを総称して呼ばれています。

スピーカー、AVアンプを決めます

どのようなサウンド環境にするかを決めましょう。
サウンド環境は、左右1 本ずつの2chを基本として、映画館のような臨場感を楽しみたい方には、5.1ch 以上がお勧めです。
AVアンプも、出力できるチャンネル数がそれぞれ決まっています。ご希望のシステム環境に合ったスピーカー、AVアンプを選びましょう。

空間デザインを決めます

専用ルームではできるだけ良質な映像を見るために、室内は光を吸収する色や素材で統一するのが一般的です。リビングシアターでは、お部屋にあわせてスクリーンケースやプロジェクター、スピーカーなどといった製品のカラーを合わせたり、プロジェクター昇降機を使ってプロジェクター本体を隠したり、カーテンボックスを作ってスクリーン本体を目立たないように工夫したりして日常生活との調和を図ります。

スクリーン素材を決めます

スクリーンには大きく分けて次の4つの光学特性があります。
ここでは、スクリーンシアターに適した2つのスクリーン素材をご紹介します。

広階調型(レイロドール)

HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)対応プロジェクターの登場により、要望が高まった高ゲインスクリーンとして開発されたレイロドール。
投写される光を生かすゲインの高さと共に、黒の諧調もしっかり表現可能な広階調スクリーンです。表面素材に特殊加工を施し、高ゲインと広視野角を実現させています。

HDR対応プロジェクター専用スクリーン。

回帰型(ビーズ)

表面に光学レンズガラス球を散りばめたスクリーンです。入射光と同じ方向に戻る性質なので、有害光※の影響が少ないのが特長です。光出力が低いプロジェクターの光量を補いダイナミックな映像が魅力です。プロジェクターに近い位置で見る事が必要です。

入射方向に対し正反対に反射します。

拡散型(ピュアマット / ホワイトマット)

スクリーンに当たった光を全方向に均一に反射し、部屋のどの位置からでも同質の映像を見る事ができます。
しかし有害光も同様に拡散するため、完全暗室にする等の対策が必要です。
階調表現がナチュラルなので映像表現が主体のコンテンツなどにお勧めします。

完全拡散に近い反射をします。