ピュアマットは裏・表の織り方の異なる2層を同時に織り上げる特殊織物です。経・緯の糸をランダムに織り上げた不規則な折り目は、プロジェクターの大敵である「モアレ」を防ぐ、強力な武器となりました。ピュアマットはプロジェクターのデジタル化の波にマッチして非常に高い評価を得ることとなりました。ファブリックのもたらす効果として、ナチュラルで落ち着いた映像の再現を可能にしたのです。それまでのスクリーンは、プロジェクターの明るさを補う、高ゲインを求められるものでした。ピュアマットはそこにピュアな映像を楽しむ文化を提案したのです。以来「ピュアマット」のコンセプトは何も足さない、何も引かない。プロジェクターの特徴をそのまま素直に紡ぎだすスクリーンであることこれが他の追随を許さないオーエススクリーンなのです。「ピュアマット(WF)」の登場は、同時に日本のホームシアターの夜明けでもあります。
ピュアマットの登場は、完全拡散型のスクリーンの価値を高めました。さらなる研究開発により、光の透過損失がなく、安定したゲインを確保するバックコーティング技術を開発したピュアマットⅡ・Ⅱplusが誕生。(2002年2月)プロジェクターの光源も明るさを増し、ビーズやパールなどでプロジェクターの光量をカバーするという使われ方もほとんどなくなり、リファレンススクリーンとしての評価を高めました。2010年に誕生したピュアマットⅡEX(WF203)は、フルHD(1080p)プロジェクターの登場に合わせ、最もふさわしいスクリーンとして愛好者が増えました。
2011年世界初のホームシアター向け4Kプロジェクターの登場は、スクリーンのモアレの問題以外に、画素が見えないのにスクリーン表面の凹凸(エンボス)が見えるという新たな課題を生み出しました。プロジェクターの画像処理技術が進み「何も足さない、何も引かない」という「ピュアマット」のコンセプトは、4Kの高画素になってさらに重要になりました。ピュアマットの特性を維持したまま糸の太さを変え、織り目を小さくするという新たな技術で、滑らかなサーフェイスが特長のピュアマットⅢ(WF301)が2013年に生み出しました。非常に4Kとの相性が良く、更なる開発による新たなコーティング技術は、2014年ピュアマットⅢCinema(WF302)として電動巻取り型スクリーンへの搭載として結実しました。 WF302は、ゲイン1.0の完全拡散型として最高級のオーエススクリーンとしてお勧めしています。
人間の目に見える領域に映像処理技術も近づけようというHDR (ハイ・ダイナミック・レンジ)は、技術紹介されるや否やあっと いう間にフラットディスプレイに搭載され、プロジェクターにも 次々に新技術が導入されるようになりました。するとゲイン1.0の WF302では階調域が物足りず、プロジェクターの明るさを補填し たい、と開発されたのがレイロドール(HF102)です。
ピュアマットに代表されるオーエススクリーンは、プロジェクターの歴史とと もに歩み、ホームシアターをお楽しみいただいている全ての方のために開発を 続けています。